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13話 獣人村での新生活と拠点の獲得

Auteur: みみっく
last update Date de publication: 2025-07-11 07:00:45

 ユウヤは、子供たちと少しだけ遊び、遊びが終わると子供たちは満足して帰っていった。家に入ると、アリアが楽しそうに掃除をしていた。鼻歌を歌うような軽やかな動きで、隅々まで綺麗にしている。

「あ、悪い……。外で子供たちと遊んでた」

 ユウヤが申し訳なさそうに言うと、アリアは笑顔で首を振った。その瞳は、新しい家への愛着でいっぱいだ。

「ううん。大丈夫だよ。村の人と仲良くしなきゃだし。この家ね、色々と家具も揃ってるんだよ〜♪」

 アリアは、新しい拠点にすっかり心を奪われているようだった。

♢新居の夜と隠れた才能

「ん?いやぁ……住めって言ってるのか?それで魔獣の討伐を依頼というかお願いする気なのか?良いんだけどさ……」

 ユウヤは、長老のあまりにも気前の良い申し出に、思わず目を丸くした。 半信半疑といった表情でアリアの方へ視線を向けると――彼女はすでに目を輝かせ、嬉しそうにしていた。 俺と目が合うや否や、満面の笑みで何度も力強く頷いている。 ……なにをそんなに嬉しそうにしてるんだ?

「どうしたの? 嬉しそうだけど??」

 ユウヤが問いかけると、アリアは飛び跳ねそうな勢いで答えた。 その声には、隠しきれない喜びがはじけていた。

「わたしたちの拠点だよぉっ♪ きょ・て・んっ♪」

(あっ……それ、なんかカッコいい……!)

 その瞬間、ユウヤは思わず納得した。 冒険者には、いくつかのタイプがいる。

 たとえば――旅をしながらダンジョンを巡り、宝を探す冒険者たちは、定住せずに宿や野営で夜を明かす。 一方で、村や町の討伐依頼を請け負ったり、護衛・警備の仕事を請け負ったりするタイプの冒険者は、 生活の拠点として家や本部を構えることが多い。

 それでアリアは、あんなに目を輝かせていたのか。 “ふたりの拠点”――その響きが、特別に感じられたんだろうな。 納得だよ、うん。

「それは嬉しいですね。遠慮なく頂きますね」

 ユウヤは、長老に深々と頭を下げた。長老は満足そうに頷いた。

「それと報酬の代わりにはならないと思いますが……野菜や食料をお出し致します」

 長老は、さらに申し出た。その表情には、少しでも恩返しをしたいという気持ちが見て取れた。

「それも有り難いです」

 ユウヤは、素直に感謝の言葉を述べた。

「では、村の方へご案内を致しますので……」

 長老が促すと、ユウヤたちは獣人たちと共に森の奥へと足を進めた。

(まあ〜あまり期待しないでおかないと、ショックを受けると思う。多分、木を組んで雨風をしのげるくらいの家というか休める場所の提供だろうな……。ただで差し出す家だし、アリアがショックを受けないか心配だなぁ……期待をしているみたいだし。)

 ユウヤは、アリアの嬉しそうな顔を見ながら、内心で心配していた。

 森の奥深くに、大勢の村の人と一緒に移動してきた……。ユウヤは、目の前に現れた光景に、思わず目を見開いた。

(あれ?俺たちの村より綺麗で普通の家じゃないか?)

 獣人だからと見下していたかもしれない……。依頼を受けた村から貰えた家は、雨風を防げるだけの休める場所ではなくて、ブロック造りの、十分に暮らしていける立派な家だった。しかも村から少し離れた場所で、広い庭付きだった。

「村の中心部から離れていますが、空いていて立派な家がこの家しか無いのです。村の中心部にも空き家はありますが……小さな家で少し、いや大分傷んでいまして」

 長老は、恐縮したように説明した。

「ここが良いです。もう一度確認ですけど、庭に倉庫を立てても問題ないですか?」

 ユウヤは、その家の良さに満足し、後々問題になるのが怖かったので再度確認した。すぐに庭の活用方法を考えた。その瞳は、すでに未来の計画で輝いている。

「ええ。大丈夫ですよ。何度もお伝えした通りに、この土地はお譲りした土地なのでご自由にお使いください」

(お。土地も貰えるんだ? 倉庫と薬草を育てられるかな? 森に近い場所に植えてみようかな。その他は野菜かな?)

 ユウヤは、新しい生活への期待に胸を膨らませた。

「ありがとうございます」

「ありがとう〜♪」

 アリアも満面の笑みで、感謝を伝えた。その声は弾んでいて、本当に嬉しいのが伝わってくる。

 こんなに、すんなりと村に入れちゃって良いのか?結界で寄せ付けないようにしていた人間なのに?ユウヤは、少しばかり疑問を感じ、長老に尋ねた。

「あの〜俺たちは人間なんですけど? すんなりと信じちゃって良いんですか?」

 長老は、ユウヤの疑問に穏やかに答えた。その表情は、一切の疑念を抱いていないようだった。

「儂には、“害意のある者”と“ない者”を見分けるスキルがあります。――ゆえに、問題はないですぞ。同じスキルを持つ者たちも、皆 同じように申しております」

(やっぱりそうか……じゃなきゃ、得体の知れない危険な者がいるかもしれない場所に、子供を連れて来るわけがないか。)

 ユウヤは納得し、次の話題に移った。

「討伐は、明日からでも良いですか?」

「ええ。問題ないです。この森は広大で殲滅は不可能なので、定期的に討伐を行ってくだされば助かります」

(あぁ〜そういうことね……。だから食料と家付きなのか。納得できた……。)

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